前回までは、あらかじめ用意されたXML文書とXSLTスタイルシートによって、XML文書をWebブラウザ上で活用する方法を見てきました。今回からは、XML文書に対して、XSLTスタイルシートよりも、よりダイナミックに編集し、柔軟な操作が可能なDOM(Document Object Model)について見ていきます。
DOMはW3Cで勧告されている仕様の一つであり、様々なアプリケーションがXML文書を読み取ったり、表示形式を変更して表示するなどを可能にするためのXML文書へのアクセス手段です。
XSLTはXML文書に固定的に結び付けられた静的なものにすぎませんでしたが、DOMはXML文書を動的に組み替え、生成、操作をしていくことができます。つまり、XSLTではできない処理がDOMであれば可能だということです。
また、DOMはXML文書へアクセスするための単なる窓口(インターフェース)にすぎないので、プログラミング言語に依存しません。そのため、ほとんどのプログラミング言語でDOMを介してXML文書を操作するアプリケーションを作成できます。(正確には、DOMは各プログラミング言語ごとに用意されたXMLパーサーを介して使用することになります。)
次回からはDOMを使用してXML文書を操作するアプリケーションを作成していきますが、本サイトでは、Webアプリケーションの開発に適しているJava言語を使用して、その方法を解説していきます。
Java言語はオブジェクト指向と呼ばれる考え方を取り入れたプログラミング言語です。XML文書を扱うアプリケーション開発にも適した言語であり、Java言語にはじめて触れるという方は特に、XMLと同時にJava言語について学ぶメリットは大きいと言えるでしょう。
Java言語でアプリケーションを開発していくにはJavaでの開発環境を構築する必要があります。プログラミングに入っていく前に、本カテゴリーでは、まず、Java開発環境の構築方法について見ていきます。