XSLTとはeXtensible Stylesheet Language Transformationsの略称であり、マークアップ言語でありながら、C言語やVBなどのプログラミング言語の要素(変数や関数、繰り返しや条件付き処理など)も兼ね備えた、少し特異な雰囲気を持つ言語です。
前回までは、XMLの基本について解説してきました。ただ、それだけでは、XMLを使用するメリットを感じることができなかったのではないでしょうか。XMLはあくまで「情報記述言語」ですので、それ単体ではXMLの真価を発揮することはできません。
XMLの真価を発揮するためには、他の要素が必要です。その要素のひとつがXSLTです。
XSLTでできること
XSLTにより、XML文書をHTMLやプレーンテキスト、または、別のXML文書などへと自由に変換して出力することができます。
XSLTによる変換ルールの記述を、XSLTの世界では「スタイルシート」と言います。
それらの変換ルールを記述していくことが、XSLTスタイルシートのプログラミング、ということになります。
XSLTプロセッサは、XSLTスタイルシートの記述に従ってXML文書を変換します。
上図では変換先でもXML文書としてますが、XSLTスタイルシートの記述内容によっては、HTMLであったり、CSVなどのプレーンテキストに変換することも可能です。
C言語やVBでのプログラミングに慣れた方には最初のうちはXSLTスタイルシートのプログラミングに違和感を覚えるかもしれませんが、基本をおさえれば、その意味や可能性を感じられるようになるはずです。
XSLTによる変換を実行するためのソフトを「XSLTプロセッサ」と呼びます。XSLTプロセッサはInternet Explorer(IE)やFireFoxなどのWebブラウザに標準搭載されているため、XMLと同じく、無償で開発環境を構築できます。
次回から、XSLTスタイルシートのプログラミングについて解説していきます。